色が嫌い

 嫌いな色がある。

 橙、黄、白、桃、緑、赤、紫、青、茶。

 だいたいこの順に好きではない。好きな人は好きでいてくれ。たぶん世界が違う。

 いやもう見てもらえればわかるが全体的に有彩色はあまり好きではない。せめて少し濁っていてくれたらいいが、全体に明るい色は苦手だ。目に痛い。ならパステルカラーは、となるが、これもいやだ。白っぽくてあいまいで、いかにもかわいらしい色は喉の奥がつっかえる。繰り返すが好きな人は好きでいていい。

 なぜこんなにも嫌いなのか、と考えて、色の心理学をあたってみたが、どれも理由付けを見れば見るほど腹が立ってきたのでやめた。まあ、ネットで当たれるようなものはバーナム効果の塊をちょいと弄ったようなクチが多い(偏見)ので、真に受けるほうがおかしいのかもしれない。やめた。

 ふと見ると、いやな思い出と結びついているという人がいた。ふむ、そういうのもあるらしい。思い返してみたが、常に「嫌い」という気持ちがくっついてきて、振り返る気がすぐに失せた。

 いつから嫌いかもわからないし、いつまで嫌いかもわからないが、どんな小物を選ぶにも橙と黄が入ると相当好きでない限りは手に取る気が起きない。例外は急に飲みたくなった時のオレンジジュースとバナナ豆乳とレモンティーくらいだろう。本当になぜなのか。わからない。