休みの日に何をしているか

 休みの使い方を問われるのが人生で一番困る。

 ごく……ごくたまに、何かをしている時もあるが、たいがいは寝ている。それが真実だが、この回答、あまり好まれないものであるらしい。らしいというか、基本的にこの問いは世間話なので、当たり障りなくちょっと盛り上がるような何かが話せれば、それほど中身の面白さは問われないものだ(少なくとも身の回りでは)。しかしここでまことに難しいのが、本当に寝ているという事実である。

 寝ている。本当に寝ている。朝から晩まで寝ている。平日仕事に行っている間はだいたい寝ている。仕事から帰ってくるあたりで起き始めて、あとは平日と同じようになんとなく飯を食ってぼんやりと字を書いて寝る。休日らしいことは何もない。出かけないのかと聞かれるが、出かけない。そんな体力はない。というかそんな暇があるならだらだらツイッターを見ながら非生産的に過ごしたい。というかそもそも日中が活動時間でなくなって久しいので、日中どうしても寝てしまう。眠いのだ。めちゃくちゃ眠い。

 よって、隠したいとかそういう事情は一つもないのに、寝ているだけなので世間話が盛り上がらない。話を振ってくれた相手に悪いと思うが、致し方ないので気落ちしないでほしいといつも思っている。なお本当に初対面近くであれば、はるか昔の休日の内容を思い出して語ったりできるので問題はない。おかげで数少ない休日の思い出はものすごく鮮明に固定化されている。たまに自分が何歳なのか、いま話したのがいつのことなのかで迷う。

 似たようなところで、例の夢の国の話題なども困る。私が行ったことがあるのはランドだけ、ということになっているが、それもたぶん最後がギリギリ大学のころの思い出である。10年以上経っている。最近なにがどうなっているかなどこれっぽっちもわからない。土曜出勤前に見るテレビの特集コーナーが頼りである。あれは本当にありがたいが、最近それすら見られていないのでおそらく私の知識は三年前くらいで止まっている。なおシーに行ったことは一度だけある。開園直後で、どんなアトラクションに乗ったかも覚えていないので、話せることが何一つない。よって、行ったことがないことになっている。タワーオブなんとかはなかった。それだけ覚えている。

 さてこれを書いている今も正月休暇中なので、ぜったい年明けに何していたか聞かれるのが憂鬱である。なお昼飯後に夕方まで寝たので、現時点では寝ていたと答えるしかない。